Roland Juno-d 音が出ない修理、修理完了からの蛇足デストロイ

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RolandのJUNO-D Limited editionさんです。JUNO-DはもともとRS-30という型番で開発されてたんですかね。筐体のあちこちに「RS-30」という文字列が散見されます。

このJUNO-Dの修理は3台目です。いずれも音が出ない問題でした。基本的にコンデンサ不良なんですけど、その他鍵盤のラバーコンタクト周りのコスト削減なのかわかりませんが普通はラバーコンタクトの受け側にカーボンバスパーしてあるんですけど、前期(と勝手に呼んでる)ではここがカーボンではなく、通常の基板の銅箔(金メッキくらいはしてるかもしれない)層がむき出しとなっているやつがあります。

この前期型がもう悶絶モノで打鍵での接触不良がなかなか直らない。アルコール洗浄してもだめ、ラバーコンタクト側に導電性塗料を塗り直してもだめ、もうね、構造不良。完全に構造不良。

じつはこのカーボン受けじゃなくてベロシティーセンサーのラバーコンタクト接触不良を起こす機種は過去にもあるんです。

個人的に大好きなRoland D-70さんです。D-70はかの有名なピンクボンドでのおもり落下が超有名ですけど、鍵盤の打鍵検知不良も持病として持っています。原因メカニズムは上記のJUNO-Dと同じ。なぜ学ばないのだRolandさんよ。楽器としての最も重要なユーザーインターフェースである鍵盤は絶対に動作不良などのを起こしてはいけない。そもそもここでコストダウンをはかってタッチの良くない鍵盤とかそういうのは作らないでほしいです。

これはRolandと限らず鍵盤メーカー全部です。ほんとマジでやめてくれ。

とくにYAMAHAはポータトーンで採用されてる金属バネではなくプラスチックの弾性で反力を得るやつ、あれはコストダウンにはものすごく効く(複数鍵盤を一つのパーツにできる)んですけどタッチは最悪です。ゴムを推してるみたいな感触です。

MODXあたりはだいぶ良くなってますけどね。あとGHS鍵盤とかハンマーアクション鍵盤にもこの構造採用してます。プラ弾性鍵盤にGH鍵盤のウェイトを統合したものです。GH鍵盤では鍵盤の戻り反力にリーフスプリングを作ってます。リーフスプリングというのは個人的見解ですが、曲げ初期では強い反発を生み、そこからは割と一定なバネ係数のまま反発を生み出す、鍵盤にとって理想的なバネ係数時系列変化を生み出します。YAMAHAのFS鍵盤はこのあたりを上手く使ってます。

話逸れすぎたわすまん。

起動するけど音が出ない

原因はヤス

コンデンサです。


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スルーホールの間にSMDコンデンサが散らばっています。コテ当てたりしたりしてみたところ、液漏れ時にあるような爆臭までは行かないけど、臭い。

あとスルーホールのコンデンサですけど、これは韓国SAMWHA製です。SAMWHA自体は品質いい方(というかnichiconとの合弁企業)ですけど、この機種の2004年付近ではちょっときな臭い話があります。

クソコンデンサとしてPCコンデンサウォッチャー業界では割と有名なGSCと契約しています。

どうもこのGSC、故障のオンパレードのようです。ですのでこの時期のSAMWHAのコンデンサも怪しいんではないかというのがもっぱらの噂です。

ちなみに重要な電源周り(5Vと9Vの電源入力の9Vから±9Vをメインボードで作ってる)と、カップリングコンデンサにはちゃんとニチコンのコンデンサを使ってます。つまり、大事なところ以外はコスト削減要求があったのか、わざわざメーカーを替えてSAMWHAを使ったみたいです。

あくまでも予想ですけどね。この頃のRolandさんはわりと苦しんでた時期ですから・・・

とりあえず、コンデンサはSMD含めて全交換・・・・といいたいところですけど、5v電源ラインのほんとに重要なところには今はなきSANYOのOSコンが入ってます。こいつは残します。というか替えを持ってないし、こいつは信頼性クソ高なんで問題ないかなって。

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ということでコンデンサ交換完了です。

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有極カップリングにはいつもどおり念の為Audio用のニチコンKAを使いました。

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ただ、コンデンサ外すときに一部パターンやらかしたんで華麗にリカバリしてます。
※これに使われてる鉛フリーハンダほんっっっっとに扱いづらい!一回外すところに全部有鉛はんだ混ぜてもり直してからコテ温度をちょっと340度くらいに上げてからやってたんですけどやらかしました・・・。リカバリで機能的には問題ないです。

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まぁ、電源は基本ACアダプタなんでそんなに気にしなくてもいいんですけど一応交換しときました。

動作確認

てことで対処は済んだので組み上げて動作確認します。
OKOK、ちゃんと音出てます。出力レベルがひくく感じますけど、それは毎度毎度限界まで上げまくってるKORGに比べて、の話。JUNO-Dが普通です。てか、Patchモードではゲイン下げてるなこいつ。Performanceではそれなりのレベルが出る。要するにPerformanceで混ぜてレベルオーバーしないようにPatchのレベル下げてる感じがします(完全に想像)。

とりあえずこれで修理完了、といいたいところですが、ボリュームにがりが出ます。

パネルボードまで分解してボリュームの分解洗浄グリスアップです。

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見ただけでわかるレベルでカーボンカスがひどい

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アルコール塗ってちょっと垂らしただけで真っ黒。

あんまりこするとカーボンなくなるんでささーっとかすになってるところだけ除去して接点保護して組み立てて終了。
てかこのボリュームどこのメーカーのものだ・・・?コントロールノブとかはAlpsの使われてるみたいだけど、このボリュームだけはノブステムがぐらつき多かったりと妙に質が悪いです。まさかここでもこすとだうん・・・?もうわからんけどね。

本来はこれで修理完了です。

修理完了からの破壊

Rolandの液晶って基本オレンジバックライトじゃないですか。SC-88系さんざん使い倒してきてる人間が言うのもなんですけどあれきらいなんですよ。とくにこのJUNO-Dはなんか見ずらい。

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液晶はこのように基板直接実装型のもので、LCDコントローラとかフィルムに実装されてるやつです。液晶自体は20×2のキャラクターディスプレイです。

で、バックライト。バックライトは液晶したにむき出しで配置されてて

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上に行く光は液晶枠のプラスチックをプリズムみたいに加工してフレーム一体型の散光板にとおしてます。
LED横から出た光はLCD下のアルミの反射板で上に反射させてます。

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点灯させるとこんな感じ。

で、ふと気づいたわけですよ。このLEDをてもとにいっぱいある白色LEDに変えれば白くなるんじゃね?って。

ということでやってみました。

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素晴らしいではありませんか。輝度も大幅アップ

ただ、プロト実装なんで

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チップLEDに足つけてむりやりひからせてます。いちぶチップ割れてる(でも光ってる)し、このままじゃとても実装できません。

ということでとりあえず、割れ気味のチップ交換してチップ自体の発熱もほとんどなかったんでホットメルトでうらから補強してみました。そんで液晶を元の位置に戻そうかなーと

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「パキッ」

キレの良い音がしました。液晶が割れました。・・・・ここで試合終了です。これはなおりません

蛇足で壊すとはまさにアホの所業。

汎用液晶ならなんとでも交換するんですけどね。こいつは基板直接実装なんでカスタム品みたいなもんですよ。入手不能。入手するとしたらPanelボードごとの交換になります。まぁ、海外で在庫持ってるところの目星は付けてるんですけど、その前にちょっと試したいことがあったんでまずは別の手段でリカバリさせてみようと思います。

長くなりましたが解決して壊すという余計なことしてしまったというのが今回でした。

部品届いていろいろして進捗あったら続きをアップします。