YAMAHA TX802修理その3 スイッチング電源は壊れると怖いまじで

長くなったんで分割。こっちは2号機のお話です。

2号機くんは1号機くんの動作検証の比較機としてジャンク状態もろくに見ないで購入したものでした。

1号機くんのカートリッジがどうにも認識不良おきてどこに原因があるのかわからんくてとりあえずもう一台仕入れてそっちのカートリッジソケット移植して見よう、という目的だけのためにうちに来ました。てことで電源入れる前に裸に剥かれた可愛そうなマシンです。

結果としてカートリッジ、ソケット双方の接触不良ということでした。ソケットの構造的にわりかしどうにもならん接触不良で接点洗浄してポリコールキング塗ってなんとか、っていうレベルでした。DX7系のカートリッジに依存してる方々、そろそろ考えたほうがいいっすよ。

はなしがそれました。

1号機の修理が終わってDX7IIFDとの死闘も終わって2号機のレストアでもしようかー、ということで組み直して動作確認してみました。
電源は見た目的には大丈夫。とりあえず電源、メインボード、ジャックボード全部コンデンサ交換実施。カップリングにはいちおうニチコンのMUSE-ESを使ってみたりしてますけどぶっちゃけ私の鍛え抜かれた糞耳には違いがわかりません、てかコンデンサで音を変えようなんてことしないで音作り(変調)してくれたのむ。

で、2号機の不具合はパネルのボタンが効かないっていう状態でした。
や、ボタンが寿命で効きづらいのもあったけどそれ以前にキーマトリクスの軸単位でボタンがきかないじょうたいでした。
まず、初期状態では画面下の1-8のボタンしか効かない、

えっと、組込みシステムでボタンがどう処理されているかということをざっくり説明しましょうか。
ボタンだけじゃなくてキーボード(鍵盤)のほうも同じ仕組みです。

キーマトリクスといわれるやつで縦軸横軸の接触の論理積(AND)でとってどのキーが押されたか判定してます。

これはTX802のキーマトリクス回路です。ちっさくS0-S7、B0-B4っていう配線がみえるかと思います。見えないひとは老眼鏡買うか心の目で見てください。
どのキーが押されたか、例えばテンキーの7が押されたとするとS軸はS7、B軸はB0がくっつくわけです。これのANDをとればテンキーの7だな、ってCPUが判断できるわけです。わからないひとはわかってください。情報系の人はがんばって。

こんかい、上図では見切れてますがPN2ボードの方のボタンは効くわけです。きくというか反応してる感じですけど。てことはS軸は区別できてるからB軸に問題があるのかなというふうに考えたわけですよ。

ところがですよ?B軸の先を見てみてくださいよ。MasterCPU直結じゃん。で、このマスターCPUはいちおうHD63B03YPっていうやつなんですけど、無印ならいいんですけど、このMasterCPUは内部にMuskROM持ってるやつ、つまりはYAMAHAカスタムチップです。カスタム言うてもほんの僅かなMuskROMだけなんすけどね・・・。
HD63B03YP自体はわりかし売ってるんでなんとでもなるんでいいんですけど、流石にカスタムは・・・とおもって作業場の傍らに落ちてるボードを見てみました。
DSPチップ(YM6007)が死んでるうちのSY99ちゃんのために買っておいたYAMAHAのSPX-990のメインボードが目に止まりまして。みてみればCPUが同じじゃありませんか。
ということでCPU交換してみました。ふつうCPU交換するバカはいませんよね。ここにいますけど。

MuskROMに差分があればNGなんですけど、YAMAHA型番でも同じなんで大丈夫だろうということでとりあえず交換して見ました。緊張の電源ON・・・・起動しました。めでたしめでたし。

で住むわけがない。

ボタンは交換前と同じ動きで全然改善しませんでした。とりあえずCPUは白ということでした。再度交換すんのもめんどくさいんで交換したままですけど。

となるとまた上の回路図を見てみてください。あとはS軸担当のBusInverterしかないじゃないですか。

ということでまずは調べてみようということで入力側はマトリクスチェックで問題ないのはわかってるんでバス出力側を見てやろうじゃねぇかへへへへってことでクリップをつけて見ました

へへっへロジアナとオシロどっちがいいかねー、とか考えながらとりあえずオシロ当ててみようかということで電源入れて見たらなんとボタンが動くじゃありませんかー(ただし2軸はNGのまま)。
なんですかね、ころされるとでも思ったんですかねこのチップ。

どっちにしろ己の危機を察知して下手に動いてしまったがために逆に原因と特定されたBusInverterくんはクビです。
手元に部品がなかったんで取り寄せて交換したら何ら問題なく動きましたとさ。めでたしめでたし。

さて、ぼたんが効くようになったらこんどはボタンが効きづらい、チャタリングを起こす、っていう現象もあるんでこっちをやっつけたいと思います。でもね、このボタン、Panasonicが昔作ってたオンリーワンな形状のボタンで太古の昔にディスコンになってるんでもう流通分のデッドストック分しかないんです。PansonicさんはDX7IID/FDのスライダーとかでも独自のピン配置とかのやつ作ってディスコンしたりと何かと私らメンテな泣かせなことしますにんにゃろう。

ふつうのタクティルスイッチだと表面プレートのカシメがボディの樹脂を溶かしてカシメてるんで、いっかい分解するともとには戻せないんですけど、今回のスイッチはハウジング外側が金属でできててなんとかなりそうでしたので分解して中の接点を洗浄して問題解決しました。あまりの面倒くささにぶん投げたくなりましたけどやり遂げました。

これでひとまず山場は超えた感じです。

でもよく考えてみてください。こんなところのTTL普通壊れますか??
そもそもTTL自体そんなに壊れるようなもんじゃない、ってのが一般の皆さんの認識かと思います。
そこで出てくるのがやっぱり電源の件かなと。
確証はないですけどその線が濃いかなという想像です。

あとは念の為ということと、1号機修理のときに余分に買ってたAnalogSwitchとかDX7IID/FDでも交換するハメになって再度発注することになって手持ちが増えたSRAMの交換を実施しました。これは1号機での経験からの保証みたいなもんです。

他のTTLはだいじょぶなのか、と思われるかもしれませんが、他の連中は壊れたらそもそもまともに動かないというか起動もしないかもね、っていうところばっかりだったのでもんだいなしと判断いたしました。

SRAMは今後のことも考えてだいぶ多めに買っといた
カップリングコンデンサはぜんぶMUSE-ES

コンデンサ全部交換してます。MUSE-ESつかうのは無極性(バイポーラ)コンデンサのなかでじみーにコレが一番流通量が多くて入手性がいいためです。鍛えられた糞耳には違いはわかりません。悪くはならんでしょ。

あとLCDは黒白反転液晶です。まぁ、メーカーは黒白いうてますけどどう見ても紺色なんですけどね。

液晶の性質上、鑑賞して正確な色が撮影できません

なんやかんやわいわいあちこち調べて部品手配期間除いてトータル2週間はかかりましたかな・・・。
こんだけ工数かけてもやっと当たり前に動く状態っていうことは考えないようにしてます。どう考えても割に合わないですから・・・

ちゃんとした鍵盤につないで弾くと実に気持ちよく鳴ってくれます。FM音源のスピード感とかは実機をいじって見ないと感じられない醍醐味ですね。

長くなりましたがTX802についてはこんなかんじです。

とにかく、スイッチング電源に持病を持ってる奴らは電源修理だけで正常動作すればラッキーくらいに捉えていたほうがいいです。

修理依頼等受け付けてますのでヤフオクの自己紹介欄を参照いただければと思います。