Roland JP-8000 いつもの修理のはずが・・・

Roland JP-8000に限らず、90年代?2000年初頭のマシンには必ずコンデンサが死ぬマシンがあります。

国内外製品限らず、発症率100%というやつです。Rolandで言えばXP-50が有名ですかね。こいつも100%壊れます。
現状未修理で動いているやつは「まだ壊れていない」だけです。導火線にマッチが近づいてるだけの状態です。

さて話をJPにもどします。

いぜんハードオフに行った際にジャンクコーナーに雑に置かれてたやつを回収してまいりました。
症状は音が出ない、鍵盤折れ修理痕あり、っていうものでした。前者はいつものだなー、鍵盤はeBay除けば世界の誰かが鍵盤バラ売りしてるだろう、ということで買ってまいりました。

鍵盤修理痕ありといってもまぁ、分解しないで接着剤でつけたもんだから雑なんてレベルじゃなくてBについては押し込めないようなレベルでした。

雑は雑だけど重要な破片全部くっついてただけ頑張ったとたたえたいところ

こいつはめんどくさいからeBayで発注して他のマシンに取り掛かることにしました。

で、届いたのがおなじRoland SK-9Key AssyではあるもののFantom-Xaで使用されている錘付きのものでした。
地味に使えねぇ。おもり剥がれないもんかな、と試したのが前回のエントリです

まー、経年で溶ける赤ボンドでよっぽどこりたのかおもり外れねぇなんてもんじゃない。鍵盤のほうが砕け散りました。再発注しようかと思いましたけどどうせあのエゲレスのナイスガイがバラしたやつがFantom-Xaなんだろうなということで再発注は諦めました。鍵盤補修することに方針転換です。

けんばんしゅうり

まずは中途半端に補修されたものを一度バラバラにして組み直さなければなりません。
ばらしてくっつけただけではまた同じ形になるのでなんとかあっち削ったりこっち削ったりして四苦八苦しながら組み立ててみました。使った接着剤は接着剤としては最強硬度とあと肉盛りもできて何かと便利なエポキシ接着剤です。

ばらばら
エポキシ接着剤とか駆使してなんとかした状態。左に1mmほど曲がってるのが判明したのは組み立てたときの話

穴はエポキシパテで埋めて大きな断裂部については裏にエポキシパテを充填して裏打ちしています

正確には充填したあとに研磨して面だししたのが前の写真です

この研磨が終わった段階ですでに目をつむって触ってもつなぎ目がわからないレベルまでつるつるに仕上げています。硬化後はそれ自体が樹脂となるエポキシ接着剤じゃないとなかなか研磨で苦労します。

ここからが大変でした。

作業にかかってる期間が季節の変わり目という以上に毎日強風が吹いていてスプレー塗装しようとしても適切な距離を保ってスプレーすると風で塗料がどっか飛んでいく、近くするとたれるわ厚塗りになりすぎて溶剤乾燥時に気泡ができるわで何回削ってやり直し&シンナードボンで剥がしたことやら・・・。

天候が一切回復する気配がなかったので頭にきてパイプファンとダンボール箱で簡易塗装ブース制作してしまうほどでした。

照明は初期不良で店に放置してたLED直管を直して電源直結。乾燥機は食器は乾かないが塗装はよく乾く山善のアレ

これ使ってみたら塗装が捗る捗る。タミヤのホワイトプラサフを数回、その上から塗膜強度がクソ強いホムセンのラッカーのホワイトを数回塗り重ねました。塗り重ねないと継ぎ目の色の違うところが隠蔽できなくてな。

そして無事に塗装は完了しました。でもいくら薄塗りを繰り返して理想的な状態にしても塗膜は軽くゆず肌になります。ですのでこっから2000番のペーパーとコンパウンド細め→超細め→アクリルサンデーという感じで研ぎ上げてようやく成形状態のプラスチックと同じレベルの表面状態になりました。

つやつや

これで鍵盤は完了です。組み込んだ状態が以下です。

矢印箇所が補修鍵盤。白い、しろすぎる(現状どうしようもない)

ちょろっと書きましたが、B/E鍵盤が左にわずかに曲がってしまったので隙間に余裕のある一番下のEの位置に引っ越ししました。あと鍵盤高調整とその他の鍵盤もグリス切れとか汚れが溜まってブッシュにこすれる感触あるところがあったのでそのあたりも全部調整して鍵盤Assy修理は終わりです。完成後ガリガリ弾いてみましたが何ら問題ないです。言われないと気づかないレベルです。

メインボード、ジャックボードコンデンサ交換

こっちが本題ですよね。

液漏れのわかりやすい箇所

メインボードはすべて表面実装部品で構成されています。このコンデンサが液漏れを起こして画面表示NGとか音がでないとかそういった症状が出ます。この時期の表面実装コンデンサは見たら駆逐しろ、位の心構えでいてもいいです、XP-50とかEnsoniqのMR-Rackとかも表面実装コンデンサの液漏れで不具合が出てる状況です。なんなんかねこれ。べつに怪しいメーカーのコンデンサ使ってるわけでもなくてニチコンとかそういうちゃんとしたやつなんですよね・・・。とりあえずアルミ電解コンデンサは全部交換します。ちぎっては捨てちぎっては捨てで基板パッドを剥がさないように慎重にやりましょう。といっても腐食が進んでると音もなく剥がれますからある程度は諦めましょう。

んで交換後。

カップリングコンデンサにはニチコンのAudio用のKAを使用しています。車載とかでも使われる105℃耐性の音響用コンデンサです。てかまぁここをオーディオ用にしたところで別に音の変化は私の自慢の糞耳じゃわかりませんけどね。もともとオリジナルでも普通のコンデンサ使ってるし、気分の問題です。
あ、交換後は表面実装じゃなくてご覧の通り普通のスルーホールコンデンサの足を上手いことフォーミングして実装してます。SMD揃えるのめんどくさいし実装するのもめんどいし(はんだペーストとブロー使えばかんたんっちゃかんたんだけどあんまり熱加えたくない)ということで普通のコンデンサつけてます。ぶっちゃけSMDコンデンサの耐久性を信じられないレベルで腐ってるやつを処理してきたんでね・・・

あ、SMDコンデンサの外し方とかどこのコンデンサがどうなってるかの回路図とかは自分で調べて考えてくださいね。

プリアンプのお仕事もしてるジャックボードのほうも勢いでコンデンサ交換してみました。こっちはえきもれとか聞いたことないですけど、いちおう。こっちもカップリングにはKA使ってます。

電源オーバーホール

こいつについては電源の故障も聞いたことないんですけどいちおうコンデンサ交換と各部点検しておきます。

電源はスイッチング電源ではなくふつうのトランスとブリッジダイオードと平滑コン、それとレギュレーターをつかったものです。出力電圧はオペアンプ駆動とかで使う±15Vとデジタル回路でおもにつかう5Vです。

レギュレーターとブリッジダイオードは電源を覆うシールドボックスみたいなアルミ箱に囲われててそこに直接熱を逃してるんですけど、オリジナル状態ではただ接触してるだけだったんで組み立てるとき一応サンハヤトの熱伝導シリコングリス塗っときました。これで電源は完了。もともと問題ないしな。

パネルボタンの交換

タクトスイッチ(R)はアルプスの商標です。タクタイルスイッチが一般表現かな?
それはおいといて本機で使用されてるのはPanasonicの二本足ライトタッチスイッチ(R)です。
この四角い2本足ってのPanasonicではディスコンになってて流通分のみになってると思います。
うちではタクタイルスイッチ買うときは数百個単位で買うんで在庫持ってますけど、新しく買うならPanasonicでもAlpsでもどっちでもいいですけど現行品はガワが丸くなってるやつがありますんでそっち使えばいいと思います。
リード間寸法とステム高があってりゃなんとかなります。あ、自分で探してくださいね。

タクタイルスイッチって大まかに2本足と4本足スナップインの二種類あるんだけど、半田箇所は確かに2本足のほうが半分で済むけど、はんだ付けのために逆さにしたとき基板から多少なり浮いて来るし、余った足切るのもめんどくさいし、地味に4本足のほうがすごく楽なんだよね・・・。

はなしはそれましたがついでに各つまみのカバーフェルト掃除してたら数個こんなのが・・・

いやなーんか筐体開けたら出てくるホコリの塊に甲殻類っぽいちいさいの混じってるなー、って思いながら掃除機で吸ってたんだけどこいつらつまみのフェルト食ってやがった。いちおうほかも確認したけど食ったのはつまみフェルト3枚だけだったけど面倒なことしやがって・・・。

100円ショップいってフェルト買ってきて切って中心は6mmのポンチで穴開けて作りましたよええ。

見た目もガード能力も問題ないです。

あとは組み立てて完成です。液晶が暗いなーとおもってばらしてみたら液晶表面がホコリだらけだったんでそいつきれいにしたら普通になった、とかいろいろありましたがなんとか完了です。

ベンダー、リボンコントローラーのキャリブレーション

バックアップ電池交換したんでSRAMの中身が吹っ飛んでます。音色はメニューから復帰できますけど、ベンダーとリボンコントローラーはDiagモードで起動してキャリブレーションしないと使えません。

そのへんのやり方は自分で調べましょう。

他、Diagで各操作子とLEDのチェックとか一通りこなして修理完了です。