KORG 01/W 修理 -液晶編-
2月 23rd 2009 -
01/Wとかこの年代付近のシンセだと、液晶のバックライトが死に体なことが多いかと思います。
今回はバックライト交換編です。
バックライトは無機ELパネルが使われています。
今回は(も)秋月の超デカEL発光パネルを使用しました。
ELパネルの色は最終的に白にしました。
青入れるとちょっと色が濃いっす。
↑これが青バックライト。ちょっと緑がかる。
↑これが白バックライト。
この辺はお好みでどうぞ。
ちなみに、オリジナルのELパネルは無通電でピンク色なんで、白かと思われます。
さて、まずは液晶基盤をはずさないと話にならないんですが、これがまたなんというか、液晶ユニットは構造的に最深部にあります。
つまりは、液晶はずすにはほかの部分ユニット全部はずさないと液晶までたどり着けません。
で、おおまかな手順は以下。
- 裏蓋開ける
- メインボードの配線はずす
- メインボードはずす
- スイッチボードと鍵盤ユニットにまたがってるシールドシートをはずす
- 鍵盤ユニットをはずす
- フロッピー周りもはずす
- 電源ボードをはずす
- 中央のアルミレールをはずす
- スイッチボードをはずす
- 液晶ユニットをはずす
- バックライト引っぺがす
- 新しいバックライト突っ込む
- ひたすらくみ上げる
ってところです。
要はOUTPUTボード以外ほぼ全部はずす必要ありです。
スイッチボードの鍵盤側がレールで固定されてるってのがめんどくさいところ。
上の写真中央部分の穴からちらりと見えるのが液晶ユニットです。
写真右のレールをはずさないとスイッチボード外れません。
とりあえず、はずすのはネジ回せばいいんで気合入れてはずしてください。
スイッチボードですが、ちょっと注意が必要。
スイッチボードのネジ穴3種類あります
- 太丸囲いの穴:下はボタン類の樹脂板。黒ネジ(対プラタッピングビス)
- 細丸囲いの穴:スイッチボードから直接レールにネジ止めする箇所
- 丸なしの穴:シールドシートの上からネジ止めするネジ穴
て感じだったと思いますんで、組むとき注意してください。
特に太丸。ここだけ対樹脂なんでネジ穴馬鹿にしないように注意です。
スイッチボードはずせば液晶ユニットが出てきます。
OptrexのDMF5005Nです。
一応、汎用品で今でも手に入れられるような雰囲気です。
ただ、ユニット単価で本体購入額(\4980)の2?3倍逝きそうな感じですが。
おんなじ液晶使ってるのがRolandのW-30とかYAMAHAのSY-77とかあたりみたいです。
※この辺参照。
さて、バックライトですが、液晶ガラス面と基盤の間に貼り付けてあります。
貼ってある、といってもがっちり接着されてるわけではないので、半田を取ってバックライトの下になんか突っ込んでゴリゴリやればバックライトシート抜けます。
剥がすときにうちで使ってるのは↓です。
結束バンドです。程よい強度と液晶を傷つけないやわらかさ。
さて、バックライトを取り出してそこに代わりのバックライトを入れればいいわけですが、秋月の超デカELパネルでも長さがちょっと足りないです。
足りなく見えますが、実際に切り出して突っ込んでみると秋月パネルの幅でちょうど液晶の表示部分を照らすのにはなんとか間に合います。
ELパネル切り出すときは端子を打ち込む位置とかも考慮に入れて切り出すと後々苦労しません。
※白黒の境界がちょうど真ん中あたりに来るようにできればいいけど、おそらく微妙にずれるはず。そこは微調整で。
今回は大きさが微妙に足りないんで、貼り付け位置の微調整が必要でした。
ELパネルに両面テープつけて、キットに入ってるお試しインバータつないで光らせながら結束バンドで位置の微調整です。
微調整中に感電したのは秘密です( ´Д`)
位置が決まったらそこに貼り付けます。
ELの足、微妙に長さが合わなかったんで、適当なリード線を半田で固めて足伸ばして基盤につけました。
※写真とってない
付けたら一応テスターでショートしてないか確認してから、本体の電源ユニットから来る電源線をつないでバックライトがつくか確認してみるといいかもです。
メインボードとかつけなくても、電源入れればELユニットに給電されるんで、点灯確認くらいはできます。
あとはがんばってばらしたパーツくみ上げていきましょう。
ちなみに、フロッピーユニットはAlpsのDFR423E02Aでした。
ダイレクトドライブでベルトべローンの心配はなさそうです。
とりあえず、今回の01/Wはこれで復活と相成りました。
以上、健闘をいのります。
gk audio Says:
12月 4th, 2012 at 19:09:36
no display
nakagawa Says:
9月 26th, 2013 at 9:02:20
初めまして、01/w修理に関しては非常にお世話になっており感謝を致しております。
バックライトの取替で少々聞きたい事がありましてご連絡致しました。
この場を参考にし、ELシートを購入し(共立エレショップ)ほぼ同じ寸法でカットして
液晶と基盤の間に入れ直し(基盤と両面テープで軽く固定)、通電します。バラしたパーツを組み立て、
電源を入れると、文字が真ん中上部しかでません・・・? ELシートに何か工夫されていますか。
例えばラミネート加工とか? 4?5トライしていますが未だに解決策が見えません。
ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
f-moriya Says:
9月 27th, 2013 at 15:49:32
はじめまして。
液晶の文字かけ(というかライン、ドット欠け)ですと、液晶の上下にシリコン状のゴムがあるかと思いますが、実はあのゴムが液晶の接点になってましてそれが基板と金属フレームで圧着(くっついてはいなくて押さえつけられている状態)されています。
共立のELシートを「ほぼ同じ寸法」でカットされたとのことですが、実際に必要な発光面はひと回り小さくて済みます。どの程度かはもとについて他ピンクのEL版のピンク部分が照射必要面積です。
あんまりぴったりなサイズに作って入れたとなると、もしかしたらゴム接点と基板の間にELシートが入り込んで閉まっているのかもしれません。そうすると液晶の接触不良が起きてライン欠け等、いろいろな表示不良が発生します。
少し上下のサイズに余裕を持って作成されてみるといいかもしれません。
また、この記事では秋月のELを使用しておりますが、共立のELですと切断面に触れると思いっきり放電しますのでラミネートなり絶縁加工が必要になります。(秋月のは表面にコーティングしてあって必要ない・・・かもです。触ってもビリビリしませんでしたのでw)
ラミネーター揃えたりすると結構お金かかりますので、うちでは「ピッチン」というブックカバー用のフィルムを貼っています。
ELシートを入れない状態でも表示不良が発生しているようですとゴム接点と基板がすでに接触不良を起こしている可能性が高いです。
この場合、一度フレームを外して液晶を外して接点、基板を無水エタノールなどで洗浄してから正常に表示される位置にセットした上、正常に表示され続ける均一な圧力になるようにフレームを固定しなければならなくなります。
コレがかなり難儀な作業となります。試行錯誤するしかないレベルでして。。。正直難易度高いです。
しかも電源を入れた状態で液晶を表示させながら作業をする必要が有るため、危険でもあります。
※さすがに一番危ないEL用の電源ラインは抜いて作業しますが
このように、少々大変な作業が続くかと思いますが、なんとか復旧できるよう頑張ってください。
とにかく何時間もかかる作業ですから気をつけて作業されてください。。。
M YONAHA Says:
9月 2nd, 2014 at 18:41:41
始めまして、こちらを参考に01WのELシートの交換にチャレンジしてみました。結果、点灯はしたのですが5秒程すると消えてしまいました。どうにかお力添えを頂きたく某知恵袋等に投稿
インバーターを変えれば良いとのお答えを頂きました。
しかしお恥ずかしいのですが、01Wのどの部分がインバーターなのか、その部分をどう修理すれば良いのか、まったっく分からず困っております。
厚かましいとは存じましたが、どうにかご教授いただければと思います。
この分野では全くの素人ですので、説明不足がありましたらお許し下さい。
宜しくお願いします。
f-moriya Says:
9月 2nd, 2014 at 20:54:05
インバーターですが、液晶のEL電源線がつながっている箇所にあります。
というか今01/W貸出中で手元に無く記憶が頼りなんですが、確か電源ボードの端に1.5cm角くらいの小さいトランスがあると思います。その周辺回路を含めた部分がインバーター部分になります。
つまり、単体としてインバーターがあるのではなく、電源ボードの一部にインバーター回路が形成されております。
インバーターの修理というのは概ねトランスに不具合があることが多く、同等の代替品を探すことも困難です。
となると、汎用の単体インバーターを用意してそのインバーターが必要とする電圧を通すことにより対応する必要があります。
その場合、既存のインバーターを殺さないと無駄に電流が流れますので、トランスを外すなどの対応が必要です。
また、01/Wを分解してアルミのシールドシートが数カ所に挟まれていることにお気づきかと思います。
このシールドは主にインバーターから発せられる高電圧、可聴域のノイズが音声ラインに乗ることを防ぐためにあります。(インバーターだけでなくアフタータッチやベンダーなど断続的な信号からのノイズ回避の役目もありますが、主目的はインバーターからのノイズ遮断です)
こういったことから外部インバーターを内蔵させることは相応のノイズ対策が必要となります。
こればっかりは試行錯誤しないといけないところです。
また、取り付ける外部インバーターが入力として必要とする電圧、電流に問題があったりするとインバーターに使用される部品が鳴き出したりする可能性もあります。
上記まとめますと、外部インバーターをつけるのに試行錯誤が必要です。
さらにインバーターから出力される電圧は130?150Vと比較的高い電圧(電流は低いですが)となりますので試行錯誤中に感電する可能性がかなり高いです。
そういったことを踏まえてご自身でインバーター外付けをするか、それともバックライトなしのままで使用するかよく考えて実施してください。
01/Wならバックライト無しでも通常の周囲光量ならば視認性にそれほど問題もないと思いますのでその点も踏まえてよく考えて判断されることをおすすめします。
インバーターの箇所を回路から逆追いできない、となると電流の流れを追うことも難しいかと思いますので大変失礼にな回答になると思いますがM YONAHA様の現状の技術では実施なさらないほうが安全かと思います。
シンセの中でも地味に一番危険な部分ですのでよく考えて判断されることを切に願います。
以上
M YONAHA Says:
9月 3rd, 2014 at 8:22:19
早速お答えを頂きありがとうございます。
どうしたものか、本当に困っていたものですから助かりました。
やはり素人の自分には手におえない物なんですね、バックライトの点灯は諦めたいと思います
大変丁寧、分かりやすくお答え頂きありがとうございました、勉強になりました本当に感謝です
watabe Says:
1月 14th, 2016 at 12:28:40
興味深く見させていただいております。
久しぶりにKORG 01/Wに電源を入れたところ電源が入らなくなりました。
色々通電確認をしましたがヒューズも飛んでいなく他コンデンサー等も無事でした。
怪しいのが電源コイル巻きのトランスが怪しいのですが
これに代用できるトランスってありますか?
ご教授お願いいたします。
f-moriya Says:
2月 10th, 2016 at 12:34:33
watabeさま
お返事遅れて申し訳ありません。
ブログ放置しすぎてまして…
電源が入らない、とのことですがこれが簡単なようで結構難しい問題だったりします。
原因箇所が判明すれば簡単なんですがそこに至るまでがなかなか
まず、
・電源ボードから電気が出てるかどうか(ロジックボードとか電源から伸びてる線あたりに直流で来てますのでその辺りにテスター当ててみるといいかと)
ここで電圧きてるのに起動しないとなるとロジックボード側に問題ありです。
電圧来てないとなるとそれ以前の段階での問題となりますのでまずここで一区切り切り分けできたことになります。
次、トランスからの出力電流が出てるかどうかですがトランスからの出力は交流になりますのでテスターを交流モードにして電圧が出てるかどうかの確認が必要です。
あとはブリッジダイオードと平滑コンデンサ通って整流されたての箇所での電圧(ここは直流)が着てるかどうかって言う確認を行うと原因箇所がだいぶ絞られるかと思います。
01/Wで使われるトランスとかだとトランス故障(内部断線)とかはあんまり起こらないんじゃないかなって思ってます。
※01/Wを3台、X3を3台、M1を2台と修理してきましたが電源の大元トランスが異常だったことはないです。コイル鳴きも無しでした…
電源周りから電圧が出ててロジックボード側でブートしないような状況でしたら回路を追ってチップヒューズとか0Ω抵抗とか保護周りがどこにあるか探さないとダメに成って結構大変です。
ロジックボード側にも3端子レギュレーターがありますんでそいつの生死も鍵になってきたりしてなかなか難しくなります。
あまり参考にならないかもしれませんがご健闘をお祈りします。